レジンフラワー作り方初心者向け基本の材料と手順5ステップ

花はいつか枯れる。長くそう思い込んでいませんでしたか。

実は、咲いた瞬間の花を樹脂で閉じ込めれば、その姿のまま何年も飾っておくことができます。それがレジンフラワーです。

思い出の花束や、庭で咲いた季節の花を残しておきたいと思ったことがある人は少なくないはずです。ドライフラワーにするだけでは色があせていきますが、レジンで包むことで、色や質感をより長く保つことができます。特別な資格や道具がなくても、材料さえそろえれば自宅の机の上で始められる点も、多くの人に選ばれている理由です。

レジンフラワーとは生花やドライフラワーを樹脂で閉じ込めるクラフト

レジンフラワーとは、UVレジンと呼ばれる紫外線硬化樹脂の中に、ドライフラワーや加工した生花を封じ込めて作るアクセサリーや雑貨の総称です。花そのものの色や質感を残せることが、造花やビーズを使ったレジンクラフトとの一番の違いです。

造花は最初から色や形が均一に作られていますが、レジンフラワーは一輪ごとに花びらの角度や色の濃淡が違います。同じ作品が二つとできないことも、この技法ならではの魅力です。

用途もアクセサリーだけにとどまりません。スマホケースやコースター、ボールペンのグリップ部分など、日用品に花を閉じ込める使い方も広がっています。手のひらサイズの小さな作品から始めて、慣れてきたら大きめの雑貨に挑戦するという広がり方ができるのも、この技法の続けやすさにつながっています。

初心者が失敗しない基本の作り方5ステップ

レジンフラワー作りは、道具さえそろえば特別な技術がなくても始められます。ここでは、初めての一輪を失敗なく仕上げるための5つのステップを順番に見ていきます。

ステップ1材料と道具をそろえる

最低限必要なのは、UVレジン液、シリコンモールド、UVライトまたはLEDライト、花材、着色剤、筆の6点です。

UVレジンには、硬化後に硬くなるハードタイプと、柔らかさが残るソフトタイプがあります。アクセサリーの土台にはハードタイプを選び、パーツ同士を接着したい部分にはソフトタイプを使うというように使い分けると、仕上がりが安定します。

モールドはシリコン製が主流です。花の形にくぼんだものだけでなく、ピアスやリング用の平たいものまで種類が豊富にあります。初めての1個には、取り出しやすい浅めの丸形か雫形を選ぶと失敗が少なくなります。

見落としやすいのがライト選びです。確認するのはワット数だけではありません。レジン液に含まれる成分は決まった波長の紫外線を受けたときにだけ反応するため、手持ちのライトの波長がレジン液の対応波長と合っていないと、いくら長く当てても固まりません。

LEDライトは波長400ナノメートル未満が紫外線LED、400ナノメートル以上が可視光線LEDに分かれ、400ナノメートル以上のLEDランプではUVレジンは固まりません。ネイル用のLEDライトを使う場合は、そのライトの波長表示と、レジン液のパッケージに書かれた対応ライトの表示を必ず突き合わせてください。400ナノメートル以上のLEDで固めたい場合は、LEDレジンとして売られている製品を選びます。UVライトを使う場合は、ワット数が大きいほど硬化は早くなります。

このほかに、レジン液が手や机につくのを防ぐ手袋や、作業台を汚さないための下敷き用シートがあると、片付けの手間が減ります。筆は花材の位置調整と気泡抜きの両方に使うため、細筆を多めに用意しておくと作業がとぎれません。

レジン液は硬化する前の状態で肌につくと、かぶれることがあります。作業中は手袋をつけ、皮膚についたらすぐに拭き取ってください。作業する部屋は換気しながら進めます。ライトから出る紫外線はUV-Aで、長時間当たり続けると日焼けの原因になるため、照射中は光を直視せず、素手をライトの中に入れたままにしないでください。

ステップ2花材を用意する

生花をそのままレジンに封入すると、水分が残っていることで変色したり、カビが発生したりします。花材には必ず水分を抜いたものを使いますが、初めての1個から自分で乾燥剤や重しを使いこなす必要はありません。ドライフラワー専門店やハンドメイド用品店で販売されている市販のドライフラワーや押し花を購入するのが、いちばん失敗の少ない基本ルートです。すでに水分が抜けているため、封入前の下処理でつまずくことがありません。

思い出の花束や結婚式のブーケなど、特定の生花をどうしても残したい場合だけ、自分で乾燥させる工程が必要になります。シリカゲルを使うと色が鮮やかなまま仕上がりやすくなります。シリカゲルは花の水分を数日かけてゆっくり吸い取ってくれる乾燥剤で、花びらの立体感を残したまま乾燥させたいときに向いています。平たく仕上げたい場合は、重しをのせて水分を抜く押し花のほうが扱いやすくなります。

自分で乾燥させた花や、厚みのある花を使う場合は、あらかじめ薄くカットしておくとレジンの中でも自然な見た目になります。花びらを1枚ずつはがしてから使うと、モールドの中での配置の自由度も上がります。

ステップ3レジン液を混ぜて色をつける

透明のまま使うこともできますが、着色剤を1、2滴加えると作品の雰囲気が大きく変わります。着色剤は少量ずつ加え、筆でよく混ぜてから色の濃さを確認してください。

着色剤には、水彩絵の具のように透明感が残る染料系と、しっかり発色する顔料系があります。花の色を活かしたいなら染料系、背景に色をつけて花を引き立てたいなら顔料系というように選ぶと、狙った雰囲気に近づきます。パールやラメを少量混ぜると、光の当たり方で表情が変わる仕上がりになります。

一度に多く入れすぎると、後から薄めることができません。薄い色から少しずつ濃くしていくほうが失敗しにくくなります。

ステップ4モールドに流し気泡を抜く

シリコンモールドの8分目までレジン液を流し入れ、花材の位置や向きを筆で整えます。この段階で気泡が入りやすいため、筆の先で気泡をつついて表面まで浮かせるか、エンボスヒーターで軽く温めて気泡を抜きます。

気泡が特に入りやすいのは、花びらの重なった部分やモールドの角です。花びらが重なりすぎると、間に空気が閉じ込められやすくなるため、花材同士の間隔を少し空けて配置すると気泡が残りにくくなります。それでも気泡が多く残る場合は、1層目を薄く流して花材の土台を作り、半硬化させてから2層目を重ねる二層流しという方法に切り替えると、気泡が抜けやすくなります。

作業を始める前に、モールドの表面にほこりや油分が残っていないかも確認してください。目に見えない汚れがあると、レジン液がなじまず、そこから気泡が発生することがあります。

ステップ5硬化させて仕上げる

UVライトまたはUV対応のLEDライトを、花材の入ったモールドに当てて硬化させます。市販のUVレジンをジェルネイル用ランプで固める場合、目安はおおむね2分から10分です。日本レジュフラワー協会のオリジナルUVレジン、レジュレの場合は完全硬化までが6分です。厚みのある作品ほど時間がかかるため、一度に厚く流さず、薄く重ねて回数を分けるほうが確実に固まります。太陽光でも硬化しますが、天候に左右されるため、ライトを使うほうが安定して仕上がります。

一度の硬化で表面がでこぼこしてしまった場合は、やすりで軽く削ってから透明のレジン液を薄く重ね塗りし、もう一度硬化させるときれいな艶が戻ります。この重ね塗りはトップコートと呼ばれ、UVカット効果のあるタイプを選ぶと、後々の変色対策にもなります。

UV(紫外線)とは、波長域が約100〜400nmの電磁波です。波長が短い順にUV-C、UV-B、UV-Aと呼ばれ、その中でもUV硬化用途に用いられる波長域はUV-Aです。現在、各メーカーから販売されているUV硬化用途のUV LED光源は、365nm/385nm/395nm/405nmのいずれかの波長に設定されたモデルが大半です。

これは京セラのUV LED光源解説ページで示されている内容です。同じページでは、波長が長いUVほど厚みのある樹脂の深層部まで届きやすく、顔料に阻害されにくいことも説明されています。厚みを出したい作品や、着色剤を入れた作品ほど、この違いが仕上がりに効いてきます。

硬化が終わったらモールドから取り出します。表面にベタつきが残っている場合は、硬化が足りていない可能性があります。やすりをかけずに、もう一度ライトに当てて追加で硬化させてください。それでも残るときは、使っているライトの波長がレジン液に合っているかを確認します。

向いている花材と下処理のコツ

作り方の手順が分かったところで、次に気になるのが花材選びと、失敗の原因になりやすい気泡や変色への対策です。

花の種類によって変わる乾燥期間の目安

自分で生花を乾燥させる場合、花の種類によって必要な日数が変わります。かすみ草やあじさいのように花びらが薄い花は乾燥しやすく、色も抜けにくいため、自分で乾燥させる場合の入門としても扱いやすい花材です。バラのように花びらが厚い花は、乾燥に時間がかかるぶん、封入したときの立体感が出やすいという特徴があります。

急いで作りたいときや、初めての1個をとにかく失敗なく仕上げたいときは、無理に生花から乾燥させず、市販のドライフラワーや押し花を使うほうが確実です。

花材の状態下処理の目安向いている用途
市販のドライフラワーそのまま使用可能初めての作品全般
自分で乾燥させた生花1週間から2週間の乾燥思い出の花を残したい作品
押し花数日から1週間の圧着乾燥平面的なアクセサリー
かすみ草やあじさい数日程度の自然乾燥初心者の練習用

気泡と変色を防ぐコツ

気泡対策の基本はステップ4で説明したとおりです。花材を完全に乾燥させてから使うことと、レジン液をゆっくり流し込むことの2点を守れば、大きな気泡は防げます。

変色は、紫外線による経年劣化と、花材自体の水分の両方が原因になります。UVカット効果のあるトップコートを仕上げに使うと、色あせを遅らせることができます。作品を飾る場所も、直射日光の当たる窓辺は避け、室内の明るい日陰を選ぶと長持ちしやすくなります。

素材によって変色のしやすさが大きく変わることは、協会代表の三上が実際に確かめています。三上が押しフルーツをレジンに封入し、日の当たる窓辺に1か月以上置いて経過を見たところ、糖分の汁が出ることも色が抜けることもなく、ほとんど変化はありませんでした。品質によって差はあるとしても、少なくとも1か月の間は色の変化が見られなかったということです。一方、花材として売られているドライフルーツをレジンで加工したときには、真っ黒に変色してしまったことがありました。同じ果物でも、素材の作られ方によって耐久性はまったく違うということです。

この検証結果からも分かるとおり、初めて使う花材は、本番の作品にいきなり使わず、まずは小さく試作して数週間の変化を見てから使うことが、失敗を防ぐ一番の近道になります。

完成した作品の保管とお手入れ

完成した作品は、直射日光を避けた引き出しやアクセサリーケースにしまっておくと、色あせを遅らせられます。ネックレスやピアスとして身につける場合は、香水や制汗剤が直接かからないようにすると、表面の艶が長持ちします。

汚れが気になったら、乾いた柔らかい布で軽く拭き取る程度にとどめてください。水洗いや強い洗剤は、レジンの表面を傷めたり、花材の色を変化させたりする原因になります。

レジュフラワーは日本レジュフラワー協会の商標

レジュフラワーは、紫外線硬化樹脂を意味するResin、アクセサリーを意味するJewelry、花を意味するFlowerを組み合わせた一般社団法人日本レジュフラワー協会の造語で、同協会の商標です。プリザーブドフラワー、押し花、ドライフラワーを紫外線硬化樹脂で加工し、本物の花の美しさをそのままアクセサリーにします。陶器や金属、紙、自分で描いた絵、ほかのクラフト技術やネイルの技術と組み合わせることもできます。

もっと本格的に学びたいなら教室や資格という選択肢

ここまでの手順で、まずは自分の手で1つ目のレジンフラワーを完成させることができます。ただ、独学だけでは気泡や変色といった壁に何度もぶつかることも少なくありません。

一般社団法人日本レジュフラワー協会の代表理事、三上美幸は、2015年4月にアクセサリーの販売を始め、同年8月に教室を開き、同年10月に起業しました。協会の活動を開始したのは2016年7月です。起業1年目に年間500人がレッスンを受講しました。独学で技術を積み上げてきた歩みがあるからこそ、初心者がつまずきやすい箇所を体系立てて教えるカリキュラムに落とし込んでいます。

日本レジュフラワー協会の認定講座は2つに分かれています。アクセサリーベーシック認定講師資格講座では、協会オリジナルUVレジンのレジュレを使い、アクセサリーなどの立体加工技術を全6作品、約12.5時間で学びます。スマホケース認定講師資格講座は、スマートフォンケースなどの平面加工技術を学ぶ別の講座です。

販売やレッスン開講を目的に認定講師になる場合は、講座とは別に講師講習を受講します。約90分のセミナーで教室運営の考え方を学び、受講後2か月以内に自分で集客して3名以上にデモレッスンを行い、レポートを協会本部に提出して審査を受けます。資格の取得だけが目的であれば、講師講習は不要です。

認定講師になると、自分の教室を開いたり、イベントで体験レッスンを担当したりと、活動の幅を作品作りの先にまで広げられます。認定講師として活動している人の一覧は認定講師紹介ページで確認できます。

レジンフラワー作りでよくある疑問

レジンフラワーはどれくらいきれいな状態を保てますか?

正しく保管すれば長期間、色や質感を保てます。UVカットのトップコートを使い、直射日光や高温多湿を避けた場所に置くことが、色あせを防ぐ一番のポイントです。協会代表の三上が行った検証では、押しフルーツを日当たりのよい窓辺に1か月以上置いても目立った変化は見られませんでしたが、素材や環境によって結果は変わるため、大切な作品ほど直射日光を避けた保管をおすすめします。

初期費用はどれくらいかかりますか?

道具一式をそろえる場合、レジン液、モールド、ライト、着色剤で数千円から始められます。基本的な道具は100円ショップでもそろいますが、匂いが強かったり硬化しにくかったりする製品もあります。仕上がりにこだわりたい場合は、手芸専門店のレジン液を選ぶと失敗が減ります。まずは小さなキットで試し、続けられそうであれば道具を買い足していく方法が無理のない始め方です。

結婚式のブーケなど思い出の生花でも作れますか?

作れます。ただし、生花は水分を完全に抜く乾燥期間が必要で、花の種類によっては色が変わりやすいものもあります。バラのように花びらが厚い花は変色しやすく、かすみ草のように薄い花は色が残りやすい傾向があります。大切な花材ほど、事前に同じ花で小さな試作品を作ってから、本番のブーケに取りかかることをおすすめします。

子どもと一緒に作ることはできますか?

作業自体は小学生からでも楽しめますが、UVレジン液は硬化前の状態で肌につくとかぶれることがあるため、手袋を着用し、大人が付き添って作業することをおすすめします。ライトの取り扱いも大人が担当すると安心です。

作り始めてから完成までどれくらい時間がかかりますか?

市販のドライフラワーを使う場合、小さなピアス1つで作業時間はおよそ30分から1時間です。材料さえそろっていれば、その日のうちに完成させられます。思い出の生花を自分で乾燥させてから使う場合は、花材の乾燥に数日から2週間ほどかかるため、準備から完成まで1週間から2週間ほど見ておくと余裕を持って取り組めます。

最初の一輪を作ることから始めてみる

レジンフラワーは道具さえそろえば初心者でも始められます。

  • 材料と道具は最低6点そろえれば始められます
  • 花材は基本、市販のドライフラワーや押し花を使います
  • ライトはワット数だけでなく対応波長で選びます
  • 気泡は流す速度と二層流しで防げます
  • 変色はUVカットのトップコートと保管場所で遅らせます

まずは市販のドライフラワーで、1つ目の作品を作ることから始めてみてください。体験レッスンの内容は体験レッスンについてのページで確認できます。